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生きがい……自分が夢中で打ち込めることを見つけることだと思います。 |
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環境が大切だと思います。今年の11月に道川病院は、40床増床の80床の新病棟が完成します。現在も急ピッチで工事がなされていて、日毎に完成が見られる様になって来ています。新病棟は現在の病棟よりも部屋のスペースが広くなるので、ベッドサイドの総てにインターネット回線がセットされ、パソコンに接続出来る環境が整えます。これまでは、作業室に個人のパソコンを5〜6台設置しインターネットにも接続していましたが、パソコンを使えたい人全員が使える訳ではありません。それに、午前中は清拭や検温がある為、午後の作業の僅かな時間しかパソコンと向き合うことが出来ません。しかも、土日は職員が手薄になる為に、管理所から離れた場所にある作業室に行くことが出来ません。これでは、気軽にパソコンを使うことも出来ない。やりたいことも集中して出来ないということが現状でした。 |
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これからは、患者さんが頼めば一人一人が自分のパソコンを持てるので、気軽にパソコンを好きな時間にパソコンに向かうことが出来る。
インターネットの接続で世界が大きく広がる。例えば家族や恋人、友人とのメール交換、知らない人とのネット上での出会い、自分のホームページを作成し全世界に発信することもできます。パソコンは言葉が喋れなくても、耳や目が不自由でも私達のハンデイを補い可能性が一気に広がります。更には、一般会社の契約社員として働くことや、ベンチャー企業を立ち上げることも不可能ではないと思います。
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パソコンは自分の趣味の域を越えて、やがてそれを仕事として取り組んでいくことが出来ればそれが生きがい、働きがいというものになる。 |
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病院に居ながらにして仕事をすることも可能だ。そのためには病院側の理解と協力が必要です。このこと関しては、病院側と意見交換の場をつくって、お互いの理解を深めて行ければと思います。 |
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次に、道川病院では、パソコン以外にも作業時間にビータッチ手芸や玉のれん、七宝焼き等様々な作業に取り組んでいます。ビータッチ手芸や玉のれんは単純作業で飽きてしまう。これは発表する場がないというのが大きな要因になっていると思います。
一般の人たちの目に触れるような場所で展示即売会を開くことが出来れば目的意識も持てますし、他人の評価も得て、気持ちに張りがでてくると思います。又、展示会をすることによって、一般の人達に私達がどんなことをしているのか知ってもらえる良いチャンスになると思います。これを機会に地域の人達との交流も出来て来ると思います。
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11月の新病院完成と同時に隣接地に地元岩城町が建設提供してくれる「道川社会訓練センター」(仮)が完成します。
この訓練センターは道川病院の周辺にある授産施設や老人施設の利用者さんと共有の施設ですが私達患者とその家族が宿泊することをも主とした施設であります。この施設の利用方法については、例えば病院行事各種レクリェーションに利用、授産施設のような小規模作業所として利用、ボランティアや地域の人たちと一緒に作業も出来ると思います。患者自治会としては大きな期待を寄せている。
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人的支援が必要。ボランティアが大きな役割を果たす。
現在、道川病院では、行事がある時には、秋田大学のボランティアサークルの皆さんに来て頂きお世話になっておりますが、普段の日は、そういったボランティアの皆様に来て頂く機会は、ほとんどありません。これは、私達患者が積極的な働きかけをしていないことが大きな要因になっていると思いますが、病院のある場所は、秋田市と本庄市の丁度中間に位置している為、距離的にどちらも15キロ位離れており、距離的な問題や交通の利便性もあり、なかなか気軽に病院に足を運んでいただけないということがあります。
なぜ人的支援が必要かと言えばまず身の回りのことについてですが、例えば私達がパソコンに向かうとすれば電源を入れることにはじまり、マウスを持たせて貰ったり或いは身の回りの物を取ってもらったりといろいろ手が掛かります。これら全てを看護師さん、保育士さんでもまだ難しいと思います。そういう時にボランティアのお力をお借り出来れば大変助かります。
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ボランティアさんや地域の人たちとの交流を積極的にして、気軽に病院へ足を運んでもらうような環境をつくれれば良いと思っています。そうなれば、単に身の回りの世話だけでなく、病院外の世界と繋がりも持てますし、新たな出会いも生まれます。
交流を深め、私達をより知って貰い、病院も安心して送り出せて、私達が外出したい時に一緒に出掛け、旅行することも出来てくる。普段私達は、どうしても閉じこもりがちになります。そんな時に、ボランティアの手を借りて外の世界に飛び出して行くことで、生きている実感が湧いてくる。ボランティアや地域社会とのより密接な繋がりを持つことが今後の私達の大きな課題だ。
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一番大切なことは私達自身の意識改革です。
あらゆる設備や環境が整っても私達自身が積極的に行動しなければ意味がありません。
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周りの人に感謝の気持ちと思いやりを持つことも大切です。
ボランティアは勿論ですが、普段お世話をしてくれている看護師さんや保育士さんたちへ「ありがとう」という気持ちを伝えることが最も大事なことです。
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障害者だからといって、殻に閉じ籠もらずに、勇気を持って飛び出していくことが重要。その一歩を踏み出すことによって、世界が広がり、社会の一員として、生きている実感が湧き、生きがいを感じるより豊かな人生を送れると私は信じております。 |
最後に、言葉足らずでお聞き苦しいことが多々あったと思いますが、これで私の発表を終わります。どうも有り難うございました。